HyperexponentialDistribution
HyperexponentialDistribution[{α1,…,αm},{λ1,…,λm}]
相確率 αi,比率 λiの m 相超指数分布を表す.
詳細
- HyperexponentialDistributionは混合指数分布または並列 m 相指数分布としても知られている.
- m 相超指数分布は,m 個のサーバが並列になっており,i 番目のサーバのサービス率が λiで確率 αiで選ばれると考えることができる.
- 指数分布における値 の確率密度は,ではであり,では0である.
- HyperexponentialDistributionでは,αiは α1+⋯+αm1となるような任意の非負の数でよく,λi は任意の正の実数でよい.
- HyperexponentialDistributionでは,λiは単位次元が等しい任意の数量でよく,αiは無次元量でよい. »
- HyperexponentialDistributionはMean,CDF,RandomVariate等の関数で使うことができる.
予備知識
- HyperexponentialDistribution[{α1,…,αm},{λ1,…,λm}]は,区間上で定義され,2つのベクトル(α1,…,αm)と(λ1,…,λm)でパラメータ化され, 相超指数分布として知られる連続統計分布を表す.母数 αiは「相確率」と呼ばれ,区間内に値を持ち,を満足する.母数 λiは「相比」と呼ばれ,正の実数値を持つ.この2つの母数が一緒になって確率密度関数(PDF)の全体的な形を決定する.この形は,一般的には単調減少で,PDFが の大きい値について代数的というより指数的に減少するという意味で「薄い」裾部を持つ(この動作は分布のSurvivalFunctionを分析することで数量的に正確にすることができる).XHyperexponentialDistribution[{α1,…,αm},{λ1,…,λm}]を満足する確率変数 は 相の超指数分布を持つと言われることがある.
- 変動係数(StandardDeviation / Mean)が常に1(任意の指数分布の変動係数)より大きいためにこのように名付けられた超指数分布は,混合分布の1つの例であり,そのPDFが指数密度関数の総和であるという意味でExponentialDistributionを一般化したものであると考えられることが多い.超指数分布は裾部が薄いので,待ち行列系やセンサネットワークの研究にしばしば使われるモデルとなっている.超指数分布のユニークな特性の一つに,この分布が任意の確率分布(裾部が重いものでもよい)の近似に使える点が挙げられる.これは,厳密メソッドを使っては数量的に推論できないさまざまな待ち行列モデルのパフォーマンスデータを捉えるためにネットワークパフォーマンスモデルで使われている.超指数分布は,また,半導体,生産システム,コンピュータハードウェアの基本設計にも使われている.
- RandomVariateを使って,超指数分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,HyperexponentialDistribution[{α1,…,αm},{λ1,…,λm}]](より簡略な表記では xHyperexponentialDistribution[{α1,…,αm},{λ1,…,λm}])を使って,確率変数 x が超指数分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,Probability,NProbability,Expectation,NExpectation等の関数で使うことができる.
- 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[HyperexponentialDistribution[{α1,…,αm},{λ1,…,λm}],x]およびCDF[HyperexponentialDistribution[{α1,…,αm},{λ1,…,λm}],x]を使って得られる.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMean,Median,Variance,Moment,CentralMomentを使って計算することができる.
- DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が超指数分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック超指数分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを超指数分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号超指数分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号超指数分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
- TransformedDistributionを使って変換された超指数分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って超指数分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って超指数分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
- 超指数分布は数多くの他の分布と関連している.HyperexponentialDistributionは,指数分布ExponentialDistribution[λ1]が単一相の超指数分布HyperexponentialDistribution[{1},{λ1}]としても,相比 λ1がすべて等しい超指数HyperexponentialDistribution[{α1,α2,…,αm},{λ1,λ1,…,λ1}]としても見られることから,ExponentialDistributionの明らかな一般化である.加えて,HyperexponentialDistributionは,重みが各ExponentialDistributionである混合分布 としても実現することができる.さらに,HyperexponentialDistributionは,HypoexponentialDistributionに変換することができ(逆もまた真である),ExponentialDistributionの変換をTransformedDistributionまたはTruncatedDistributionと合成することでGammaDistribution,LaplaceDistribution,BenktanderWeibullDistribution,LogisticDistribution,ParetoDistribution,PearsonDistribution,PowerDistribution,RayleighDistributionから得ることができ,CoxianDistribution,ExtremeValueDistribution,GumbelDistribution,FrechetDistribution,WeibullDistribution等と関係している.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (8)
サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:
母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:
アプリケーション (1)
特性と関係 (6)
超指数分布の変動係数は常にExponentialDistributionの変動係数よりも大きい:
超指数分布の変動係数が指数分布の変動係数以下になる有効な母数はない:
単相の超指数分布はExponentialDistributionである:
相の確率が等しい超指数分布はExponentialDistributionである:
テキスト
Wolfram Research (2012), HyperexponentialDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/HyperexponentialDistribution.html (2016年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2012. "HyperexponentialDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/HyperexponentialDistribution.html.
APA
Wolfram Language. (2012). HyperexponentialDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/HyperexponentialDistribution.html