HypoexponentialDistribution
HypoexponentialDistribution[{λ1,…,λm}]
比率が λ1, …, λmである m 相準指数分布を表す.
詳細
- HypoexponentialDistributionは連続 m 相指数分布としても知られる.
- m 相準指数分布は i 番目のサーバのサービス率が λiである m 個の直列サーバを持つと解釈することができる.
- 値 の確率密度と特異的な率 は,については指数 の線形結合であり,については0である.
- HypoexponentialDistribution[{λ1,…,λm}]は各 xiがExponentialDistribution[λi]に従うTransformedDistribution[x1+⋯+xm,…]に等しい.
- HypoexponentialDistributionでは,λiは任意の正の実数でよい.
- HypoexponentialDistributionでは,λiは単位次元が等しい任意の数量でよい. »
- HypoexponentialDistributionは,Mean,CDF,RandomVariate等の関数で使うことができる.
予備知識
- HypoexponentialDistribution[{λ1,…,λm}]は,区間上で定義され,ベクトル(λ1,…,λm)でパラメータ化され, 相準指数分布として知られる連続統計分布を表す.母数 λiは,「相率」と呼ばれる正の実数値で,一般に単峰性で, の大きい値について確率密度関数(PDF)が指数的というよりもむしろ代数的に減少するという意味で「太い」裾部を持つPDFの全体的な形を決定する(この動作は,分布のSurvivalFunctionを分析することで数量的に正確にすることができる).XHypoexponentialDistribution[{λ1,…,λm}]を満足する確率変数 X は,位数 の準指数関数を持つと言われる.準指数関数は一般化されたアーラン(Erlang)分布と呼ばれることがある.
- 常に1(任意の指数分布の係数)より小さい変動係数(StandardDeviationと Mean)の割合のために名付けられた準指数分布は,混合分布(MixtureDistribution)の例であり,しばしば,そのPDFが指数分布に従う確率変数の総和の分布をモデル化するために,ExponentialDistributionの一般化であるとみなされる.準指数分布は裾部が薄いので,待ち行列システムの研究使われることが多い.準指数分布は,集団遺伝学,生産システム,信頼性理論,並列計算等の研究にも使われてきた.
- RandomVariateを使って,準指数分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,HypoexponentialDistribution[{λ1,…,λm}] ],より簡略すると xHypoexponentialDistribution[{λ1,…,λm}] を使って,確率変数 x が準指数分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,Probability,NProbability,Expectation,NExpectation等の関数で使うことができる.
- 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[HypoexponentialDistribution[{λ1,…,λm}] ,x]およびCDF[HypoexponentialDistribution[{λ1,…,λm}] ,x]を使って得られるこ.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMean,Median,Variance,Moment,CentralMomentを使って計算することができる.
- DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が準指数分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック準指数分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを準指数分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号準指数分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号準指数分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
- TransformedDistributionを使って変換された準指数分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って準指数分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って準指数分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
- 準指数分布は他の多くの分布と関連している.HypoexponentialDistributionは,HypoexponentialDistribution[{λ1,…,λm}] のPDFがTransformedDistribution[x1+⋯+xm,{x1ExponentialDistribution[λ1],…,xmExponentialDistribution[λm]}] のPDFと厳密に一致し,指数分布ExponentialDistribution[λ]が単一相の準指数分布HypoexponentialDistribution[λ]と考えられることから,ExponentialDistributionの明らかな一般化である.HypoexponentialDistributionは,特殊ケースとしてGammaDistributionおよびErlangDistributionを持ち,CoxianDistributionによって一般化され,HyperexponentialDistributionに変換することができる(逆もまた真なり).HypoexponentialDistributionは,ExponentialDistributionをTransformedDistributionおよび/またはTruncatedDistributionの変換と組み合せることで,LaplaceDistribution,BenktanderWeibullDistribution,LogisticDistribution,ParetoDistribution,PearsonDistribution,PowerDistribution,RayleighDistributionからも得ることができ,数ある中でもExtremeValueDistribution,GumbelDistribution,FrechetDistribution,WeibullDistributionとも関連している.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (8)
サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:
母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:
アプリケーション (1)
特性と関係 (11)
準指数分布の変動係数は常にExponentialDistributionの変動係数より小さい:
準指数分布の変動係数が指数分布の変動係数以上になる有効な母数はない:
HypoexponentialDistributionは加法の下では閉じている:
HypoexponentialDistributionは正の因子によるスケーリングの下では閉じている:
ExponentialDistributionに従う独立変数の和は準指数分布に従う:
比率が単一の準指数分布はExponentialDistributionに簡約される:
HypoexponentialDistributionはCoxianDistributionの特殊ケースである:
すべての比率が等しい準指数分布はErlangDistributionである:
すべての等しい比率についての準指数分布はGammaDistributionである:
テキスト
Wolfram Research (2012), HypoexponentialDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/HypoexponentialDistribution.html (2016年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2012. "HypoexponentialDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/HypoexponentialDistribution.html.
APA
Wolfram Language. (2012). HypoexponentialDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/HypoexponentialDistribution.html