SpatialJ
SpatialJ[pdata,r]
点データ pdata について半径 r で 関数 を推定する.
SpatialJ[pproc,r]
点過程 pproc について を計算する.
SpatialJ[bdata,r]
ビン分割されたデータ bdata について を計算する.
SpatialJ[pspec]
異なる半径 r に繰り返し適用可能な関数 を生成する.
詳細とオプション
- 関数 は,典型的な点から距離 内に点が見付からない確率と任意の場所から距離 内に点が見付からない確率の比である.これはで与えられる. はNearestNeighborGで はEmptySpaceFである.
- SpatialJは,距離 内の点集合の空間均質性を測定する.以下は,そのポアソン(Poisson)過程との比較である.
-
ポアソン過程よりも離散化している ポアソン過程のようである,つまり完全な空間ランダムである ポアソン過程よりもクラスタ化している - 半径 r は単一の値でも値のリストでもよい.半径 r が指定されていない場合は,SpatialJは関数 の反復的評価に使えるPointStatisticFunctionを返す.
- 以下は,点 pdata の可能な形である.
-
{p1,p2,…} 点 pi GeoPosition[…],GeoPositionXYZ[…],… 地理的点 SpatialPointData[…] 空間点集合 {pts,reg} 点集合 pts と観測領域 reg - 観測領域 reg は,与えられていなければRipleyRassonRegionを使って自動的に計算される.
- 点過程 pproc は以下の形でよい.
-
proc 点過程 proc {proc,reg} 点過程 proc と観測領域 reg - 観測領域 reg はパラメータフリーでSpatialObservationRegionQでなければならない.
- ビン分割データ bdata はSpatialBinnedPointDataからのもので,区分定数強化関数を伴うInhomogeneousPoissonPointProcessとして扱われる.
- は,pdata については,と の推定を組み合せることで,点 piから計算される.この推定は,点パターンが空間的に定常であると仮定する.
- は,pproc については,厳密な式を使ってあるいはシミュレーションで点データを生成することで計算される.
- 次は,使用可能なオプションである.
-
Method Automatic 使用するメソッド SpatialBoundaryCorrection Automatic 使用する境界補正 - SpatialBoundaryCorrectionには次の設定を使うことができる.
-
Automatic 境界補正を自動的に決定する None 境界補正は行わない "BorderMargin" 内部余白を観測領域に使う "Hanisch" 最近傍までの距離が境界までの距離よりも大きい点を除去する "KaplanMeier" SurvivalDistribution法.点のその最近傍までの距離は領域境界によって打ち切られる "NelsonAalen" SurvivalDistribution法.点のその最近傍までの距離は領域境界によって打ち切られる - Method->{"Discretization"->opts}と設定すると,推定における離散化メソッドが調整できる.opts はDiscretizeRegionの任意の有効なオプションでよい.
例題
すべて開くすべて閉じる例 (3)
スコープ (7)
点データ (4)
与えられた距離のリストについての 関数の経験的推定を入手する:
後で使うためにPointStatisticFunctionを作る:
Ripley–Rasson推定器によって生成された観測領域:
SpatialJをGeoPositionで使う:
点過程 (3)
PoissonPointProcessについての 関数は常に恒等関数である:
これは,PoissonPointProcessのEmptySpaceFとNearestNeighborGが等しいためである:
指定次元のクラスタ過程ThomasPointProcessについての 関数:
指定次元のクラスタ過程MaternPointProcessについての 関数:
オプション (2)
SpatialBoundaryCorrection (1)
境界補正がないSpatialJ推定器にはバイアスがあるので大きい点集合以外では使うべきではない:
デフォルトメソッドの"BorderMargin"は境界から距離 の点だけを考慮する:
"Hanisch"法は観測領域の各点に重みを付けて推定値にバイアスがないようにする:
"KaplanMeier"法と"NelsonAalen"法はSurvivalDistributionで使われる推定器である.各点の最近傍点までの距離は各点の観測領域の境界までの距離によって打ち切られる:
Method (1)
アプリケーション (2)
特性と関係 (3)
SpatialJは,点集合のクラスタリングを測定する.は,点が距離 内にクラスタ化されていることを示し,は,点が距離 内に分散していることを示す.格子点,ポアソン点過程,トーマス点過程からサンプルを生成する:
NearestNeighborGがどのようにSpatialJに影響するかを可視化する:
NearestNeighborGは点集合内のある点から距離 r 内に別の点が見付かる確率を推定する:
EmptySpaceFがどのようにSpatialJに影響するかを可視化する:
EmptySpaceFは参照点から距離 r 内に別の点が見付かる確率を推定する:
テキスト
Wolfram Research (2020), SpatialJ, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SpatialJ.html.
CMS
Wolfram Language. 2020. "SpatialJ." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. https://reference.wolfram.com/language/ref/SpatialJ.html.
APA
Wolfram Language. (2020). SpatialJ. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/SpatialJ.html