LogLogisticDistribution
形状母数 γ,尺度母数 σ の対数ロジスティック分布を表す.
詳細
- LogLogisticDistributionはFisk分布としても知られている.
- 対数ロジスティック分布における値 の確率密度は,では に比例する.
- LogLogisticDistributionでは,γ と σ は任意の正の実数でよい.
- LogLogisticDistributionでは,σ は任意の単位次元の数量でよく,γ は無次元量でよい. »
- LogLogisticDistributionには,Mean,CDF,RandomVariate等の関数が使える.
予備知識
- LogLogisticDistribution[γ,σ]は,区間上でサポートされ,確率密度関数(PDF)の全体的な動作を決定する,正の実数 γ(「形状母数」と呼ばれる)と σ(「尺度母数」と呼ばれる)でパラメータ化された連続統計分布を表す.対数ロジスティック分布のPDFは,γ および σ の値によって,単一の「峰」(つまり最大値)がある単峰性か,潜在的特異値が領域の下端境界に近付く単調減少かになる.これに加え,対数ロジスティック分布のPDFには,そのPDFが の大きい値について指数的というよりも代数的に減少するという意味で「太った」裾部を持つ(この動作は,分布のSurvivalFunctionを解析することで,数量的に正確にすることができる).LogLogisticDistributionは,特に経済学の応用において,Fisk分布として参照されることがある.
- LogLogisticDistributionは,ロジスティック分布に従う確率変数の対数が従う分布である.別の表現を使うなら, が確率変数で ( は「として分布する」を表す) なら,である.数量的には,対数ロジスティック分布は対数正規分布(LogNormalDistribution)に類似しており,両者は,さまざまな分野でデータ寿命の近似を行う際にしばしば利用されるツールとなっている.加えて,対数ロジスティック分布は,降水量,富と所得,データ伝送と処理時間等を含むさまざまな現象のモデル化に使われている.
- RandomVariateを使って,対数ロジスティック分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,LogLogisticDistribution[γ,σ]],(より簡略な表記では xLogLogisticDistribution[γ,σ])を使って,確率変数 x が対数ロジスティック分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,Probability,NProbability,Expectation,NExpectation等の関数で使うことができる.
- 対数ロジスティック分布の確率密度関数および累積分布関数は,PDF[LogLogisticDistribution[γ,σ],x]およびCDF[LogLogisticDistribution[γ,σ],x]を使って得られる.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMean,Median,Variance,Moment,CentralMomentを使って計算することができる.
- DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合が対数ロジスティック分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリック対数ロジスティック分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータを対数ロジスティック分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号対数ロジスティック分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号対数ロジスティック分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
- TransformedDistributionを使って変換された対数ロジスティック分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使って対数ロジスティック分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使って対数ロジスティック分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
- LogLogisticDistributionは他の数多くの分布と関係がある.LogLogisticDistributionはLogisticDistributionと繋がりがあり,上記の説明の通り,LogNormalDistributionと数量的に類似している.LogLogisticDistributionは,LogLogisticDistribution[γ,σ]のPDFがDagumDistribution[1,γ,σ],SinghMaddalaDistribution[1,γ,σ],BetaPrimeDistribution[1,1,γ,σ]のPDFと厳密に等しいという意味で,DagumDistribution,SinghMaddalaDistribution,BetaPrimeDistributionを含むいくつかの分布の特殊ケースである.LogLogisticDistributionの対数動作はLogGammaDistribution,LogMultinormalDistribution,LogNormalDistributionのそれと数量的に類似している.この関数は,DavisDistribution,NormalDistribution,ExponentialDistribution,WeibullDistribution,GompertzMakehamDistribution,GammaDistributionとも関連している.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (8)
サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:
母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:
アプリケーション (2)
LogLogisticDistributionは収入のモデル化に使うことができる:
上記のような大学の無作為に選んだ100名の雇用者の給与のシミュレーションを行う:
BetaPrimeDistributionを使って各州の住民1人あたりの収入をモデル化することができる:
特性と関係 (6)
対数ロジスティック分布は正の因子によるスケーリングの下では閉じている:
LogLogisticDistributionはDagumDistributionの特殊ケースである:
LogLogisticDistributionはSinghMaddalaDistributionの特殊ケースである:
LogLogisticDistributionはBetaPrimeDistributionの特殊ケースである:
テキスト
Wolfram Research (2010), LogLogisticDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/LogLogisticDistribution.html (2016年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2010. "LogLogisticDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/LogLogisticDistribution.html.
APA
Wolfram Language. (2010). LogLogisticDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/LogLogisticDistribution.html