SinghMaddalaDistribution
SinghMaddalaDistribution[q,a,b]
形状母数 q と a,尺度母数 b のSingh–Maddala分布を表す.
詳細
- SinghMaddalaDistributionはBurr XII分布としても知られている.
- Singh–Maddala分布における値 の確率密度は ではに比例する.
- SinghMaddalaDistributionでは,q,a,b は正の実数でよい.
- SinghMaddalaDistributionでは,b は任意の単位次元の数量でよく,q と a は無次元量でよい. »
- SinghMaddalaDistributionは,Mean,CDF,RandomVariate等の関数とともに使うことができる.
予備知識
- SinghMaddalaDistribution[q,a,b]は,区間上でサポートされ,正の実数 q,a,b (順に,2つの形状母数と尺度母数)によってパラメータ化された連続統計分布を表す.これらの母数は,ともに,確率密度関数(PDF)の全体的な動作を決定する.Singh–Maddala分布のPDFは,q,a,b の値によって,単一の「峰」(大域的最大値)を持つ単峰性,潜在的特異値が領域の下限に値が付く単調減少を含むさまざまの形を取る.さらに,PDFの裾部はPDFが の大きい値について指数的というよりもむしろ代数的に減少するという意味で「太い」(この動作は分布のSurvivalFunctionを分析することで数量的に厳密にすることができる).Singh–Maddala分布は,ときにBurr XII分布あるいはBurr分布と呼ばれることがあり,一般化された対数ロジスティック分布(LogLogisticDistributionと混同してはならない)と呼ばれる数多くの分布の一つである.
- Singh–Maddala分布は,1940年代の初めにI. W. Burrによって発見され,1970年代にS. K. SinghおよびG. S. Maddalaによって,所得分布のモデル化におけるガンマ分布(GammaDistribution)および対数正規分布 (LogNormalDistribution)の代替物として再発見された.それ以来,Singh–Maddala分布は経済学および計量経済学におけるさまざまな金融現象のモデル化のために偏在的に使用されてきており,保険数理,モンテカルロ理論,出版,社会学等の分野におけるツールとしても使われている.
- RandomVariateを使って,Singh–Maddala分布から,1つあるいは複数の機械精度あるいは任意精度(後者はWorkingPrecisionオプションを介す)の擬似乱数変量を得ることができる.Distributed[x,SinghMaddalaDistribution[q,a,b]](より簡略な表記では xSinghMaddalaDistribution[q,a,b])を使って,確率変数 x がSingh–Maddala分布に従って分布していると宣言することができる.このような宣言は,Probability,NProbability,Expectation,NExpectation等の関数で使うことができる.
- 確率密度関数および累積分布関数は,PDF[SinghMaddalaDistribution[q,a,b],x]およびCDF[SinghMaddalaDistribution[q,a,b],x]を使って得られる.平均,中央値,分散,原点の周りのモーメント,中心モーメントは,それぞれMean,Median,Variance,Moment,CentralMomentを使って計算することができる.
- DistributionFitTestを使って,与えられたデータ集合がSingh–Maddala分布と一致するかどうかを検定することが,EstimatedDistributionを使って与えられたデータからパラメトリックSingh–Maddala分布を推定することが,FindDistributionParametersを使ってデータをSingh–Maddala分布にフィットすることができる.ProbabilityPlotを使って記号Singh–Maddala分布のCDFに対する与えられたデータのCDFのプロットを生成することが,QuantilePlotを使って記号Singh–Maddala分布の変位値に対する与えられたデータの変位値のプロットを生成することができる.
- TransformedDistributionを使って変換されたSingh–Maddala分布を表すことが,CensoredDistributionを使って上限値と下限値の間で切り取られた値の分布を表すことが,TruncatedDistributionを使って上限値と下限値の間で切断された値の分布を表すことができる.CopulaDistributionを使ってSingh–Maddala分布を含む高次元分布を構築することが,ProductDistributionを使ってSingh–Maddala分布を含む独立成分分布の結合分布を計算することができる.
- SinghMaddalaDistributionは,他の多くの分布と関連している.SinghMaddalaDistributionはLogLogisticDistributionを一般化し(SinghMaddalaDistribution[1,γ,σ]のPDFは厳密にLogLogisticDistribution[γ,σ])のそれと等しい),BetaPrimeDistributionによって一般化され(SinghMaddalaDistribution[q,a,b]のPDFは,厳密に,BetaPrimeDistribution[1,q,a,b]のそれである),DagumDistributionを変換(TransformedDistribution)したものである.SinghMaddalaDistributionは,BetaDistribution,ParetoDistribution,PearsonDistribution,GammaDistribution,WeibullDistribution,LogNormalDistributionとも密接な関係がある.
例題
すべて開くすべて閉じるスコープ (8)
Singh–Maddala分布から擬似乱数のサンプルを生成する:
サンプルの密度ヒストグラムを推定分布の確率密度関数と比較する:
母数でQuantityを一貫して使うとQuantityDistributionが与えられる:
アプリケーション (1)
1年間の地震数はTSinghMaddalaDistributionでモデル化できる:
特性と関係 (8)
Singh–Maddala分布は正の因子によるスケーリングの下では閉じている:
SinghMaddalaDistribution族は最小値の下では閉じている:
SinghMaddalaDistributionはBetaPrimeDistributionの特殊ケースである:
がSinghMaddalaDistributionに従うとき, はDagumDistributionに従う:
テキスト
Wolfram Research (2010), SinghMaddalaDistribution, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/SinghMaddalaDistribution.html (2016年に更新).
CMS
Wolfram Language. 2010. "SinghMaddalaDistribution." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2016. https://reference.wolfram.com/language/ref/SinghMaddalaDistribution.html.
APA
Wolfram Language. (2010). SinghMaddalaDistribution. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/SinghMaddalaDistribution.html