DSolveValue

DSolveValue[eqn,expr,x]

独立変数 x を持つ常微分方程式 eqn の記号解によって得られた expr の値を与える.

DSolveValue[eqn,expr,{x,xmin,xmax}]

xminから xmaxまでの x についての記号解を使う.

DSolveValue[{eqn1,eqn2,},expr,]

微分方程式のリストについての記号解を使う.

DSolveValue[eqn,expr,{x1,x2,}]

微分方程式 eqn についての記号解を使う.

DSolveValue[eqn,expr,{x1,x2,}Ω]

領域 Ω 上における偏微分方程式 eqn の解を使う.

詳細とオプション

  • DSolveValueは,常微分方程式(ODE),偏微分方程式(PDE),微分代数方程式(DAE),遅延微分方程式(DDE),積分方程式,積分微分方程式,ハイブリッド微分方程式を解くことができる.
  • DSolveValueの出力形式は,従属関数 u または u[x]の形式に制御される.
  • DSolveValue[eqn,u,x]ff は純関数
    DSolveValue[eqn,u[x],x]f[x]f[x]x 中の式
  • DSolveValueは単一の解を返すのに対し,DSolveは複数の解を返すことができる.
  • DSolveValueが与える解は,明示的に解くことができないInactiveな総和や積分を含んでいることがある.そのような場合には変数 K[1], K[2], が使われる.
  • DSolveValue[eqn,y[Infinity],x]は,Infinityにおける解 y の極限値を与える.
  • DSolveValueによって解くことができる方程式のクラスには次がある.
  • u'[x]f[x,u[x]]常微分方程式
    a xu[x,y]+b yu[x,y]f偏微分方程式
    f[u'[x],u[x],x]0微分代数方程式
    u'[x]f[x,u[x-x1]]遅延微分方程式
    u'[x]+k[x,t]u[t]tf積分微分方程式
    {,WhenEvent[cond,u[x]g]}ハイブリッド微分方程式
  • DSolveValue[u[t]->sys,resp,t]は系のモデルを解くために使うことができる.sysTransferFunctionModelまたはStateSpaceModel,応答 resp は以下のいずれかでよい. »
  • "StateResponse"入力 に対する sys の状態応答
    "OutputResponse"入力 に対する sys の出力応答
  • DSolveValue[sys,resp,t]を使って系のモデルを解くことができる.sysTransferFunctionModelまたはStateSpaceModel,応答 resp は以下のいずれかでよい.
  • "ImpulseResponse"入力DiracDelta[t]に対する sys の出力応答
    "StepResponse"入力UnitStep[t]に対する sys の出力応答
    "RampRespone"入力Ramp[t]に対する sys の出力応答
  • 常微分方程式および微分代数方程式の境界条件は,u[x1]au'[x2]b 等の特定の点で方程式を与えることで指定することができる.
  • 偏微分方程式の境界条件は,方程式 u[x,y1]aDerivative[1,0][u][x,y1]b 等として,あるいはDirichletCondition[u[x,y]g[x,y],cond]として与えることができる.
  • 遅延微分方程式の初期条件は,履歴関数 g[x]として u[x/;x<x0]g[x]の形で与えることができる.
  • WhenEvent[event,action]を方程式 eqn に含ませて eventTrueになったときの動作(action)を指定することができる.
  • 指定 uVectors[n]または uMatrices[{m,n}]を使って従属変数 u が順にベクトル値または行列値の変数であると示すことができる. »
  • 領域 Ω は,RegionQ[Ω]Trueになる任意のものでよい
  • N[DSolveValue[...]]は,記号的に解けない微分方程式については,NDSolveValueまたはParametricNDSolveValueを呼び出す.
  • 使用可能なオプション
  • Assumptions $Assumptionsパラメータについての仮定
    DiscreteVariables {}ハイブリッド方程式についての離散変数
    GeneratedParameters C生成されたパラメータにどのように命名するか
    Method Automatic使用するメソッド
  • GeneratedParametersは生成されたパラメータの形式を制御する.常微分方程式および微分代数方程式については,この形式はデフォルトで定数C[n]であり,偏微分方程式については任意の関数C[n][]である. »

例題

すべて開くすべて閉じる

  (3)

微分方程式を解く:

境界条件を含ませる:

についての「純関数」解を得る:

解をプロットする:

ある点における解の値を求める:

解の導関数:

スコープ  (118)

基本的な用法  (13)

一階微分方程式の一般解を計算する:

初期条件を加えて特殊解を得る:

微分方程式の一般解をプロットする:

任意定数C[1]の異なる2つの値について解の曲線をプロットする:

境界値問題の解をプロットする:

第2引数に y を使うことで,一階微分方程式の解を確かめる:

より高階の微分方程式の一般解を求める:

特殊解を求める:

微分方程式系を解く:

解をプロットする:

解を確かめる:

微分代数方程式系を解く:

偏微分方程式を解く:

特殊解を求める:

解をプロットする:

一般解の任意定数に異なる名前を使う:

遅延微分方程式を解く:

パラメータの異なる値について解をプロットする:

ハイブリッド微分方程式を解く:

この系は飛び跳ねるボールをモデル化している:

記号解が得られない場合は,N[DSolveValue[]]を適用してNDSolveValueを呼び出す:

数値解を求める:

数量を含む常微分方程式の一般解を求める:

初期値問題を解く:

線形微分方程式  (5)

指数方程式:

非同次一階方程式:

境界値問題を解く:

解をプロットする:

定数係数がある二階方程式:

コーシー・オイラー(CauchyEuler)方程式:

初等関数について解かれた,変数係数を持つ二階方程式:

エアリー(Airy)方程式:

回転楕円体方程式:

無理係数を持つ方程式:

より高階の方程式:

超幾何関数についての解:

ケルビン(Kelvin)関数について解かれた四階方程式:

定数係数を持つより高次の非同次方程式:

非線形微分方程式  (3)

同次方程式:

WeierstrassPについての解:

境界値問題を解く:

微分方程式系  (8)

対角線形系:

定数係数を持つ非同次線形系:

有理関数係数を持つ線形系:

非線形系:

ベクトル変数を使って線形常微分方程式系を解く:

行列変数を使って4つの常微分方程式の線形系を解く:

解をプロットする:

定数係数を持つ非同次線形常微分方程式系を解く:

線形と非線形の連立常微分方程式を解く:

微分代数方程式  (3)

線形微分代数方程式系を解く:

境界値問題を解く:

指数2の微分代数方程式:

遅延微分方程式  (2)

遅延微分方程式を解く:

パラメータaのさまざまな値についての解をプロットする:

遅延微分方程式系を解く:

パラメータaのさまざまな値についての解をプロットする:

区分微分方程式  (4)

区分強制関数を使う:

区間係数がある微分方程式:

区間で定義された非線形微分方程式:

一般化された関数を含む微分方程式:

単純なインパルス応答あるいはグリーン(Green)関数:

実線のさまざまな部分区間についての区間微分方程式を解く:

ハイブリッド微分方程式  (8)

時間依存事象を含む一階微分方程式を解く:

解をプロットする:

時間依存事象を含む二階微分方程式を解く:

解をプロットする:

時間依存事象を含む微分方程式系を解く:

事象が起こったときは積分を中止する:

事象を,1回起こった後で削除する:

変数が事象間で値を持ち続けるように指定する:

各事象に別々のアクションを与える:

同じアクションを持つ複数の事象:

Sturm-Liouville問題  (6)

ディリクレ条件のある固有値問題を解く:

最初の5つの固有関数の表を作る:

固有関数をプロットする:

ノイマン条件のある固有値問題を解く:

最初の5つの固有関数の表を作る:

固有関数をプロットする:

混合境界条件がある固有値問題を解く:

最初の5つの固有関数の表を作る:

固有関数をプロットする:

区間の左端にロビン条件がある固有値問題を解く:

10<λ<80の範囲で超越固有値方程式の根を求める:

Assumptionsを使ってこの範囲内で固有関数を求める:

両端にロビン条件がある固有値問題を解く:

エアリー(Airy)演算子について固有値問題を解く:

この問題についての固有値:

この問題についての固有関数は以下で与えられる:

1<λ<200の範囲で固有関数をプロットする:

積分方程式  (6)

ヴォルテラ積分方程式を解く:

解をプロットする:

フレドホルム積分方程式を解く:

解をプロットする:

積分微分方程式を解く:

一般解を得る:

初期条件を指定して特殊解を得る:

解をプロットする:

特異アベル積分方程式を解く:

解をプロットする:

弱特異ヴォルテラ積分方程式を解く:

解をプロットする:

第2種同次フレドホルム方程式を解く:

解をプロットする:

一階偏微分方程式  (7)

線形一階偏微分方程式についての一般解:

任意の関数C[1]についての特定の選択による解:

線形一階偏微分方程式についての初期値問題:

線形一階偏微分方程式についての初期境界値問題:

輸送方程式についての一般解:

初期値問題:

速度 c1の進行波をプロットする:

準線形一階偏微分方程式の一般解:

スカラー保存則についての初期値問題:

非線形一階クロレー(Clairaut)方程式についての完全積分:

ハイブリッド偏微分方程式  (11)

波動方程式についての初期値問題:

波動は特定の方向のペアに沿って伝播される:

区分初期データがある波動方程式についての初期値問題:

不連続な初期データは特定の方向に沿って伝播される:

初期データとして減衰指数関数のペアがある初期値問題:

解を可視化する:

非同次波動方程式の初期値問題:

m のさまざまな値についての解を可視化する:

半直線上にディリクレ条件がある波動方程式についての初期値問題:

解を可視化する:

波は初期データから始めて二股に分かれる:

半直線上にノイマン条件がある波動方程式についての初期値問題:

解を可視化する:

この例では,波は振動していない方程式に進化する:

有限区間における波動方程式についてのディリクレ問題:

解は無限三角級数である:

Inactive和から最初の3項を抽出する:

波は垂直方向に周期的動きを示す:

長方形内の波動方程式についてのディリクレ問題:

解は二重無限三角級数である:

Inactive和からいくつかの項を抽出する:

二次元波動方程式は垂直方向に周期的動きを実行する:

円板内の波動方程式についてのディリクレ問題:

解は無限ベッセル(Bessel)級数である:

Inactive和から最初の3項を抽出する:

二階双曲線偏微分方程式についての一般解:

無理係数がある双曲線偏微分方程式:

定数係数がある非同次双曲線偏微分方程式:

定数係数がある非同次線形双曲線系についての初期値問題:

放物線偏微分方程式  (7)

熱伝導方程式についての初期値問題:

時間の経過につれて熱が拡散する様子を可視化する:

区分的初期データがある熱伝導方程式についての初期値問題:

解は誤差関数Erfによって与えられる:

初期データにおける不連続性は即座に平滑化される:

非同次熱伝導方程式についての初期値問題:

パラメータ m のさまざまな値についての解の増大を可視化する:

有限区間内の熱伝導方程式についてのディリクレ問題:

解はフーリエ(Fourier)正弦級数である:

Inactive和から3項を抽出する:

有限区間内の熱伝導方程式についてのノイマン問題:

解はフーリエ余弦級数である:

Inactive和から数項抽出する:

に近付くにつれ,解はに近付く:

解が定常状態に向けて進化する様子を可視化する:

円板内の熱伝導方程式についてのディリクレ問題:

解は無限ベッセル級数である:

Inactive和から数項抽出する:

t=0.1における解の個別の項を可視化する:

ブラックショールズ(BlackScholes)方程式についての境界値問題:

楕円偏微分方程式  (9)

上半平面内のラプラス方程式についてのディリクレ問題:

境界データ内の不連続性は平滑化される:

右半平面上のラプラス方程式についてのディリクレ問題:

解を可視化する:

第1象限におけるラプラス方程式についてのディリクレ問題:

解を可視化する:

上半平面におけるラプラス方程式についてのノイマン問題:

解を可視化する:

長方形内のラプラス方程式についてのディリクレ問題:

解は無限三角級数である:

Inactive和から数項を抽出する:

解を可視化する:

円板内のラプラス方程式についてのディリクレ問題:

解を可視化する:

環内のラプラス方程式についてのディリクレ問題:

解を可視化する:

長方形内のポアソン(Poisson)方程式についてのディリクレ問題:

長方形内のヘルムホルツ(Helmholtz)方程式についてのディリクレ問題:

Inactive和から有限個の項を抽出する:

近似解を可視化する:

一般的な偏微分方程式  (6)

ディリクレ境界条件がある,ポテンシャルのないシュレディンガー方程式:

解から最初の4項を抽出する:

4つの定数C[k]をどのように選んでも,ψ は方程式と境界条件に従う:

ディリクレ境界条件があるシュレディンガー方程式についての初期値問題:

解の部分和の族を定義する:

ukは各 k について微分方程式を満足する:

境界条件もまた満足される:

初期条件は uについてのみ満足されるが,t==2で急速な収束が見られる:

ポテンシャルのあるシュレディンガー方程式を実数上で解く:

解の最初の2項を抽出する:

方程式は定数C[0]およびC[1]の任意の値について満足される:

無限における条件もまた満足される:

この関数は時間依存であるが,その ノルムは一定である:

粘度 ν のバーガース(Burgers)の方程式についての初期値問題:

ν=1/40について,さまざまな時点の解をプロットする:

ν のさまざまな値について解をプロットする:

トリコミ(Tricomi)の方程式についての境界値問題:

解を可視化する:

Kortewegde Vries(KdV)方程式についての進行波解:

任意の定数の固定選択について特殊解を得る:

波は形を変えずに右に進む:

領域上の偏微分方程式  (3)

長方形内のラプラス方程式についてのディリクレ問題:

Inactive和から最初の100項を抽出する:

解を長方形上に可視化する:

円板内のラプラス方程式についてのディリクレ問題:

解を円板内に可視化する:

右半平面上のラプラス方程式についてのディリクレ問題:

解を半平面内に可視化する:

非整数階微分方程式  (8)

1/2階の非整数階微分方程式を解く:

解を確かめる:

初期条件を加える:

解をプロットする:

0.7階のCaputoDを含む非整数階微分方程式を解く:

解を確かめる:

初期条件を加え,解をプロットする:

階数が異なる2つのCaputo導関数を含む非整数階微分方程式を解く:

解をプロットする:

1/7階の非同次非整数階微分方程式を解く:

解を確かめる:

2つの非整数階微分方程式の系を解く:

解を確かめる:

解をパラメトリックにプロットする:

ベクトル形式の2つの非整数階常微分方程式の系を解く:

解をプロットする:

解をパラメトリックにプロットする:

ベクトル形式の3つの非整数階微分方程式の系を解く:

解をプロットする:

非整数階波動方程式を解く:

解をプロットする:

系のモデル  (9)

正弦波入力に対するStateSpaceModelOutputResponseStateResponseを計算する:

伝達関数モデルの正弦波入力に対する出力応答:

伝達関数モデルについて,ステップ応答,インパルス応答,ランプ応答を求める:

結果をプロットする:

非零の初期条件についての状態空間モデルの応答:

多重入力多重出力の伝達関数モデルについての応答:

状態空間モデルについての出力応答:

以下は応答の総和を返す:

一般的な連続時間系についての状態応答:

単位ステップ入力に対する応答:

記述子StateSpaceModelの状態応答:

記述子StateSpaceModelの出力応答:

一般化と拡張  (2)

解の導関数についての式を得る:

生成されたパラメータを2つ与える境界条件はない:

1つの境界条件:

2つの境界条件:

オプション  (5)

Assumptions  (1)

線形二階微分方程式についての固有値問題を解く:

Assumptionsを使って母数 λ の範囲を指定する:

DiscreteVariables  (1)

変数が事象間で値を保存するように指定する:

GeneratedParameters  (2)

異なる名前付き定数を使う:

下付き文字が付いた定数を使う:

一意的に名前の付いた積分定数を生成する:

積分定数はDSolveValueの再起動後も一意的である:

Method  (1)

線形常微分方程式を解く:

DifferentialRootについての解を得る:

アプリケーション  (41)

常微分方程式  (12)

ロジスティック(Riccati)方程式を解く:

さまざまな初期値で解をプロットする:

線形振子方程式を解く:

線形減衰振子の変位:

位相空間で解を直接求める:

動的系の相図を調べる:

厳密解が分かっている場合にベキ級数解を求める:

Infinityにおける解の極限値を計算する:

バネによって壁に固定された稼働中のコンベヤーベルト上のブロックをモデル化する.ブロックの体積,ベルトの速度,摩擦係数,バネ定数等,系のさまざまなパラメータの値について,その位置と速度を比較する:

このブロックについてのニュートンの方程式:

位置と速度について解く:

ブロックはバネの自然長 の少し上で安定する:

接続に関するキルヒッホフ(Kirchhoff)の法則に加えて構成成分の諸法則を使って,時間 で適用される電圧 のステップインパルスに対するRLC回路の応答のシミュレーションを行う:

構成成分の法則には とある:

ステップ応答のシミュレーションを行う:

のさまざまな値についての応答を可視化する:

水がパイプを通って1つのタンクから別のタンクに流れるときの,2つの円筒形タンクの水位の変化をモデル化する:

圧力関係 と質量保存を使う:

HagenPoiseuille関係を使ってパイプの中のフローをモデル化する:

系のシミュレーションを行う:

パラメータの特定の値についての解を可視化する:

1.9階の非整数階調和振動子の方程式を解く:

解をプロットする:

非整数階調和振動子は減衰調和振動子と同じように動作する:

非整数階振動子のデータを減衰振動子の解にフィットして減衰係数 の対応する値を判定する:

結果を比較する:

非整数階LC電気回路の方程式を解く:

について古典的な解が求まる:

LC回路方程式を について解く:

階の方程式のさまざまな値について解をプロットする:

非整数階RC電気回路の方程式を解く:

について古典的な解が求まる:

についてRC回路方程式を解く:

解の方程式のさまざまな値について解をプロットする:

ハイブリッド微分方程式  (8)

一定の時間間隔でキックされる減衰振動子をモデル化する:

正弦波を是正する:

バウンドしながら階段を落ちていくボールをモデル化する:

正方形の箱の中で,側壁に当るたびに方向を変えるボールをモデル化する:

離散時間制御器 で安定化された系 のシミュレーションを行う:

シミュレーションを行い,可視化する:

離散時間デッドビート制御器を使って二重積分器を制御する:

デッドビートデジタルフィードバック制御器 を使う:

シミュレーションを行い,可視化する:

質量1kgの移動する物体の位置をモデル化する:

サンプルの比例微分制御器を使って,位置を一定に保つ:

シミュレーションを行い,可視化する:

物理変数 a が負になるたびに,これを0にする:

遅延微分方程式  (2)

遅延微分方程式によって支配されている動的な系における,カオスの発現を調べる:

遅延線形微分方程式の解の安定性を調べる:

積分方程式  (4)

等時曲線問題では,ビーズ玉が,どこに置かれたものであれ,同じ時間で最下点まで落ちる下降曲線を求める必要がある.合計の下降時間を曲線の弧長と速度 v によって表すとアベルの積分方程式 が与えられる.未知の関数 を関係 によって定義し,エネルギー保存の方程式 の変換を使うと明示的な方程式が与えられる:

DSolveValueを使って積分方程式を解く:

関係 を使って について解く:

積分が実数値であるという仮定のもとに曲線を原点から始めて積分すると, の関数としての が与えられる:

の値を代入し,ParametricPlotを使って最大等時曲線を表示する:

変数 を変更すると, の範囲での曲線の単純で特異ではないパラメータ化が与えられる:

エネルギーの保存方程式とチェーン規則を組み合せると, の関数としての について次の微分方程式が得られる:

この方程式は異なる始点について数値的に解くことができる:

解をプロットするとすべてが2秒で最下点 に達することが分かる:

等時曲線に沿った動きを可視化する:

3gの質量が付けられたバネ質量系は3dynes/cmのバネ定数と2g/sの減衰係数を持つ.で質量が下方に押され,速度28cm/sで下向きに放たれる.TemplateBox[{{50,  , {cos, (, {2,  , t}, )}}, "dynes", dynes, "Dynes"}, QuantityTF]の力が質量に対して下向きにかかる.系の速度を時間の関数として求める.速度についての積分方程式は以下で与えられる:

速度の初期値:

DSolveValueを使って積分微分方程式を解く:

速度を時間の関数としてプロットする:

物理的なバネ質量系の動きを可視化する:

あるLRC回路の電源が v(t)=TemplateBox[{{2,  , {cos, (, t, )}}, "V", volts, "Volts"}, QuantityTF]で与えられる.回路の抵抗は

,インダクタンスは
,キャパシタンスは
である.抵抗器中の電流は最初は
である.電流を時間の関数として求める:

電流についての積分方程式は以下で与えられる:

電流の初期値:

DSolveValueを使って積分微分方程式を解く:

電流を時間の関数としてプロットする:

線形ヴォルテラ積分方程式は線形微分方程式の初期値問題に等しい.この関係を次のヴォルテラ方程式について確かめる:

DSolveValueを使って積分方程式を解く:

対応する微分方程式を設定する:

微分方程式が2次なので,2つの初期条件を加える:

初期値問題の解は積分方程式の解と一致する:

解をプロットする:

従来の偏微分方程式  (5)

波動方程式を使って,固定長(例えば π)の紐の振動をモデル化する:

紐の両端は振動中も固定されていると指定する:

振動の基本モードと,より高度の調和モードを得る:

これらのモードについて,紐の振動を可視化する:

一般に,この解は無限の調和からなっている:

Inactive和から4項を抽出する:

紐の振動を可視化する:

2Dで波動方程式を使って半径1の円形皮膜の振動をモデル化する:

皮膜の境界は固定されているように指定する:

この問題の初期条件:

ベッセル関数による解を得る:

Inactive和から有限数の項を抽出する:

皮膜の振動を可視化する:

熱伝導方程式を使って,長さ1の棒の中の熱の流れをモデル化する:

棒の両端に固定温度を指定する:

初期条件を指定する:

これらの条件に従って熱伝導方程式を解く:

Inactive和から数項を抽出する:

温度が定常状態に進化する様子を可視化する:

定常状態の解 v[x]を得る.これは,時間に依存しない:

定常状態の解は x の線形関数である:

両端を覆われている長さ1の棒の中の熱の流れをモデル化する:

棒の端からは熱が漏れないと指定する:

初期条件を指定する:

これらの条件に従って熱伝導方程式を解く:

Inactive和から数項を抽出する:

温度が定常状態値の60oに進化する様子を可視化する:

軸上の実部と虚部の値から始めて複素解析関数を構築する.実部と虚部(uv)はコーシー・リーマン(CauchyRiemann)方程式を満足する:

uv の値を 軸上に指定する:

コーシー・リーマン方程式を解く:

解が調和関数であることを確かめる:

解によって生成された流線と等位を可視化する:

この解から解析関数を構築する:

これは,関数 を表す:

一般的な偏微分方程式  (5)

粘度パラメータが無限に小さくなる場合の,極限におけるバーガース方程式の平滑化解の衝撃波への進化を見る:

解は ϵ の任意の正の値について平滑である:

解は ϵ0に近付く極限において衝撃波を生ずる:

長さ d の一次元の箱の中で動くように条件付けられた電子は,端点にディリクレ条件がある自由シュレディンガー方程式に支配されている:

この方程式の一般解は三角指数項の和である:

和の中の各項は,正弦を初期状態として使うと確率密度定 rho=TemplateBox[{psi}, Conjugate]psi が時間依存になるので,常状態と呼ばれる.例えば,以下のようになる:

結果の確率分布は時間非依存である:

初期データの正規化は,密度の積分(どこかに粒子を発見する全確率)が1になるように選択される:

上記以外の初期条件を使うと,たとえ2つの定常状態の和のように単純なものでも,結果として複雑な時間依存密度になる:

t が第2および第3余弦にあるので,密度は定常ではない:

確率密度は時間依存であるが,その積分はなお定数の1になる:

電子質量と の値をSI単位で入れ,d をよく使われる原子間距離の1nmに設定すると,次の密度関数になる:

空間領域上の時間のある1点で関数を可視化する:

このグラフを確率密度の動画として見ると,電子の「中心」がボックスの片側からもう片側に動くのが分かる:

ブラック・ショールズモデルを使って,もとになっている資産価格と行使価格の両方が100ドル,安全金利5%,もとになっている資産のボラティリティが20%,満期1年の場合の,ヨーロッパバニラコールオプションの値を求める:

境界値問題を解く:

ヨーロッパバニラオプションの値を計算する:

FinancialDerivativeで与えられた値と比較する:

関数を,その勾配ベクトルから回復する:

この解は平行曲面の族を表す:

コーシー問題を解き,スターリング(Stirling)数を生成する:

母関数を使ってスターリング数を得る:

系のモデル  (5)

伝達関数モデルのインパルス応答を生成する:

UnilateralConvolveを使って正弦波入力からのモデルの出力応答を得る:

次は,インパルス応答と正弦波関数のラプラスたたみ込みを示している:

正弦波入力からの出力応答をDSolveValueを使って計算する:

両方の結果を比較する:

単位ステップ入力に応じて,安定した1次系の定常状態の出力値を決定する:

時間定数:

これを可視化する:

多入力系の各コントロール入力に対する状態の応答を解析する:

望ましい生産率と販売率を入力として,実際の生産率と在庫レベルを状態として持つ生産および在庫システムモデルの状態空間モデル:

特定の生産率と初期の平衡状態からの売上の10%の増加に対する応答を決定する:

特定の初期条件に対する応答をプロットする:

ClohessyWiltshire方程式は,中心体を周回する2つの衛星間の相対運動をモデル化する:

DSolveValueを使って,打上げ条件の特定の集合から閉じた相対軌道を得る:

特性と関係  (12)

DSolveValueは解の式を返す:

DSolveは解についての規則を返す:

微分方程式と境界条件を満足する解:

Integrateに対応する微分方程式:

NDSolveValueを使って数値解を求める:

AsymptoticDSolveValueを使って漸近展開を求める:

DEigensystemを使って固有値と固有関数を求める:

完全固有系を求める:

固有値と固有関数を求める:

DSolveValueを使ってインパルス応答を計算する:

InverseLaplaceTransformを使った同じ計算:

記号解が得られなかったときには,N[DSolveValue[]]を適用してNDSolveValueを呼び出す:

CompleteIntegralは非線形偏微分方程式の完全積分を求める:

DSolveValueは同じ解を警告メッセージとともに返す:

CompleteIntegralを使って線形偏微分方程式の完全積分を求める:

DSolveValueはこの偏微分方程式についての一般解を返す:

DFixedPointsを使って2つの常微分方程式系の固定点を求める:

DStabilityConditionsを使って固定点の安定性を解析する:

固定点を初期条件として使って系を解く:

与えられた初期条件について系を解く:

解をプロットする:

大きい階層的モデルの数値解について系のモデリングを使う:

最も興味深いシミュレーション結果の変数をプロットする:

考えられる問題  (4)

DSolveValueは,解に複数の分岐がある場合は,単一の分岐だけを返す:

DSolveを使って解のすべての分岐を得る:

結果には非アクティブな積分が含まれることがある:

関数 を式で置き換えても非アクティブな積分が返される:

Activateを使って積分を評価する:

大文字の を独立変数として使うことはできない:

小文字の あるいは と置き換えると問題は解決する:

未知の関数についての定義が,評価に影響することがある:

未知の関数についての定義をクリアすると,問題は解決する:

おもしろい例題  (2)

コルニュ(Cornu)渦巻きを生成する:

ルジャンドル(Legendre)微分演算子の六次対称ベキを解く:

Wolfram Research (2014), DSolveValue, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/DSolveValue.html (2024年に更新).

テキスト

Wolfram Research (2014), DSolveValue, Wolfram言語関数, https://reference.wolfram.com/language/ref/DSolveValue.html (2024年に更新).

CMS

Wolfram Language. 2014. "DSolveValue." Wolfram Language & System Documentation Center. Wolfram Research. Last Modified 2024. https://reference.wolfram.com/language/ref/DSolveValue.html.

APA

Wolfram Language. (2014). DSolveValue. Wolfram Language & System Documentation Center. Retrieved from https://reference.wolfram.com/language/ref/DSolveValue.html

BibTeX

@misc{reference.wolfram_2024_dsolvevalue, author="Wolfram Research", title="{DSolveValue}", year="2024", howpublished="\url{https://reference.wolfram.com/language/ref/DSolveValue.html}", note=[Accessed: 22-November-2024 ]}

BibLaTeX

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